昼寝は何分がベスト?【医師が解説】

睡眠

要約(先に結論)

最も扱いやすいのは 10〜20分の“パワーナップ”:寝起き直後から眠気・作業効率が改善。30分以上は”寝起きのだるさ(睡眠惰性)”が出やすいので注意。 (Brooks & Lack, 2006)。

タイミングは 「午後早め(13〜15時)」 がベスト:生体リズム上”ポストランチディップ”で眠気が高まる帯(Monk, 2005)

長く寝たいなら :90分(1サイクル)にして深い眠りの途中で起きない工夫を。

即効性をもう一段求めるなら:カフェインナップ(コーヒーを飲んですぐ仮眠)は単独よりも効果的 (Reyner & Horne, 1997)

安全上のメリット:航空分野では26分の仮眠で警戒度+54%・パフォーマンス+34%の報告あり (Rosekind et al., 1994)

なぜ昼寝は体に良いのか

短い昼寝は、眠気・疲労感・認知機能を回復させる効果があります。
実験研究では、10分の昼寝で起床直後から眠気が減り、認知成績も改善 (Brooks & Lack, 2006)
(Rosekind et al., 1994)

ベストな長さは?(10〜20分が基本)

10〜20分(パワーナップ)

起床直後から効果が得られる。

効果は1〜2時間以上持続する。

浅い睡眠段階(N1〜N2)にとどまるため、寝起きがスッキリ。

30分以上の仮眠

起床直後にだるさ(睡眠慣性)が強い。改善に30分かかることもある。

夜勤など特殊条件では有効な場合もある (Hilditch et al., 2016)

90分(1サイクル)

深睡眠を避けて1サイクルで起きる方法。

ただし夜の睡眠に影響するリスクがあるので常用は避けたい。

いつ寝るのが良い?

午後13〜15時の「ポストランチディップ」時に眠気が自然に強まるため、この時間帯が最も適している (Monk, 2005)
夕方以降の仮眠は夜の入眠を妨げるため避けた方が良い。

効果を最大化するコツ

  1. タイマーは15〜20分に設定
  2. 静かで暗めの環境(アイマスク・遮光カーテン)を整える
  3. 起床後すぐに光を浴びる
  4. 夕方以降は避ける
  5. カフェインナップ:コーヒーを飲んでからすぐ10〜20分仮眠 → 相乗効果あり (Reyner & Horne, 1997)

注意点

長時間の昼寝(60分以上)は一部研究で心血管イベントや死亡率との関連が報告されている (Pan et al., 2020)

高齢者では短時間昼寝が疲労感の軽減に役立つことも示されている (Souabni et al., 2022)

日中の強い眠気が慢性的にある場合は、睡眠時無呼吸症候群などを疑い医療機関に相談すること。

医師の監修コメント

臨床でも、10〜20分の昼寝は勧めやすく、多くの患者さんが取り入れやすい印象です。
一方で、30〜60分の中途半端な仮眠はだるさを招きやすいため、まずは「午後早め×20分以内」から始めるのをおすすめします。

まとめ(チェックリスト)

☐ 10〜20分以内で切り上げる

☐ 午後13〜15時に行う

☐ 起床後に光を浴びて活動開始

☐ 夕方以降は避ける

☐ カフェイン+短時間仮眠も効果的

コメント

タイトルとURLをコピーしました